
HACCP(危害分析重要管理点)とは、危害を分析して、その危害を制御することのできる場所(工程)や処置方法を決めて、それぞれに対応した基準をつくり、「いつ」、「どこで」、「だれが」、「何の目的で」、「どの基準にしたがって」、「どのような作業を行ったのか」を記録し、証拠書類として残しておくシステムを確立しなさい、という「衛生管理手法」です。
従来のでき上がったものを「製品検査」するのではなく、製造工程を含めた「工程管理」へ管理方法を移行しようとするものです。

従来は「食品の安全性」とは、製造する環境を清潔にし、きれいにすれば安全な食品が製造できるであろうとの考えのもと製造環境の整備や衛生の確保に重点が置かれてきました。そして、製造された食品の安全性の確認は、主に最終製品の抜取り検査(微生物の培養検査等)により行われてきました。抜き取り検査だけの場合、危険な食品が、市場に出て食中毒を引き起こす可能性を排除することができません。

HACCP方式とは、従来から行われてきた最終製品(食品)の検査に重点を置く衛生管理方法とは異なり、食品の安全性をより高めるために、製造における重要な各工程毎に管理(危害の分析、予測)することによっ て、その予測される危害を排除、あるいは許
容できる範囲にまで減少、減弱することのできる工程あるいは処置方法を見つけ、それを「重要管理点」(CCP)とし、それに対し、「管理基準(許容基準値)」を設定するものです。
そして、重要管理点に対する基準に合っているかどうかの管理状態をチェックする方法を確立し、重点的な管理を行い、悪い結果が見られそうになった段階から素早い対策を講ずることによって、「危害の発生を未然に防止しようとする」システムです。

H A C C P システムは表1 に示す7 つの原則に基づいて適用される。この原則は、1993年にF A O / W H O 合同食品規格委員会(コーデックス委員会)*からH A C C Pシステム適用のためのガイドラインとして示されたものです。
これらのHACCPシステム7原則をマネジメント化するには、HACCP導入12手順に沿って、製造(生産)現場で洩れなく継続・安定的に、且つ安全・効率的に実践出来るように、"一般衛生管理基準"をどの程度反映して上記7原則を実践して行くのかを示す全体像の文書化とも言えるマニュアル化(含検証・内部監査手順)と、その全体マニュアルと連動した作業個別ごとの作業手順書・点検表・記録簿等の作成・試稼働が必要となります。
HACCPシステムは、食品の製造・加工の各段階において予測される危害を調査・分析(危害分析:Hazard Analysis)し、重点的に管理すべき箇所(重要管理点:CriticalControl Point)を常時モニタリングすることによって、食品の安全性を確保しようというものである。最終製品のチェック(抜取検査)に重点をおいていた従来の衛生管理方法と異なり、主に次のようなメリットがある。

● 早期の危害発見と改善措置により、食品の安全性が向上し、製造時の無駄が減る。
● あらかじめ製品ごとの実施計画(マニュアル)を作成するため、誰にでも管理システムが理解できる。
● 実施計画の文書化、定期的な修正によって、安全性のレベルが維持される。
● 製造工程ごとに危害分析、危害防止対策を実施することにより、個別の事情を無視した一律の安全基準を設定する必要がなくなり、製造方法の多様化・弾力化が可能になる。
● 事故防止が図れるうえ、管理状態を文書化することにより、管理システムが適切であることを証明できるため、PL対策として有効である。